知らないうちにおかしていた過ち2【疑い】   no comments

Posted at 5:41 pm in 日々の事

「ああ。。。これ?」彼はいつもの優しい笑顔です。
「今日仕事であるマダムのところに行かなきゃならなくってね。
すぐ誘うって噂のある人だから、会社の女の子が『魔除けね』って指輪を貸してくれてたんだよ。
既婚者の男には興味がないマダムらしいからね。」
私を見つめ「君が心配するような事じゃないよ。」と言ってくれました。

バーを出て、当然次を誘われるだろうと思っていたのですが「今日は帰ろうね」と彼が言います。
「それじゃ、気をつけて帰るんだよ。」そう言って背を向け歩き出す彼に、え?なんで?と不満に思ってしまった私は「ねぇ!あなたの家に行きたい!」そう泣きながら叫んでしまいました。
走り寄って彼の背中に抱きつき「あなたの家に行きたいの!どこに住んでるのかも知らないだなんて、私不安なの!」
彼はカラダをこちらに向けると私の肩を抱いて「聞き分けがない子は嫌いだよ。」そう言うと「君は疲れているんだね。」とタクシーを止め私を入れると運転手さんにお金を渡しました。
「中野の方まで」と頼み、私には「明日電話するね」と外からドアを閉めました。

50メートルほど車は走ったでしょうか、「運転手さん!止まって!」
私は車を降り、彼の姿を探しました。
「あ!」彼の茶色のコートを見つけ、そっと後を追いました。
地下鉄に向かっているのかしら。。。
しかし彼は地下鉄の階段は下りません。
「おかしい!」その気持が心に広がっていきます。
「おかしい」と感じるのは、酔っているせいもあるかもしれません。
にわかに速度を上げた彼と距離を縮めようと急ぐ私のヒールの踵が道のくぼみに取られ、ヒールが脱げました。
それを拾って顔を上げると、もう彼の姿はありません。
四方八方に見回しましたが見付けることは出来ず、私は彼を見失ってしまったのです。

彼は電話をくれると言っていたのに、次の日の夕方になっても電話もメールもありません。
私は会社を早退し、彼が働く会社のビルの下で彼が出てくるのを待ちました。
友人たちが「おかしいよ!そんなの。。。」と言った言葉が、頭の中をグルグル回ります。
彼が出てきたら、私はどうするの?自分自身に問いかけました。
私はあの人を尾行するつもりなの?

1時間2時間、時間が過ぎていきます。
カラダはすっかり冷えてしまいました。
雪がチラチラと舞っています。
「私、なにやってるんだろう。。。」
突然メールの着信音が流れました。
「昨日無事に帰った?心配だったよ。」
彼からのメール。。。
私は涙が出て止まりませんでした。
私なにやってるんだろう、まるでストーカー。。。
自己嫌悪が頭を擡げます。
でも「何かオカシイ」そう思う気持ちは消せません。
一度疑いだした心は止められないのです。
「このままじゃ私おかしくなっちゃう。。。」
実際もう、おかしくなりかけてるのかもしれません。

Written by admin on 3月 6th, 2014